「フィリピンの株主総会の運用方法および決議要件の概要について」

(1) 株主総会の通常決議

①定足数

原則として、株主総会が成立するためには、発行済株式総数(Outstanding Capital Stock)の過半数を有する株主の出席が必要です。もっとも、定款で別途定めることも可能です。

②承認に必要な賛成数

通常決議は、出席している株主が有する株式数の過半数の賛成により可決されます。

つまり、

  • 定足数:発行済株式総数ベース
  • 決議要件:出席株主の株式数ベース

という2段階構造になっています。

③通常決議で足りる事項の例

  • 取締役やその他の役員の選任
  • 配当の宣言
  • その他、会社運営上の一般的な議題

(2) 株主総会の特別決議

会社の基本的な構造やガバナンスに重大な影響を与える事項については、通常決議よりも厳しい決議要件が課されます。

特別決議の具体例は以下のとおりです。

①発行済株式総数の過半数の賛成が必要なもの

  • by lawsの変更

②発行済株式総数の3分の2以上の賛成が必要なもの

  • 取締役の解任
  • Articles of Incorporation(定款)の変更
  • 株式配当の宣言
  • 増資・減資
  • 合併

※決議事項によっては、「議決権のある株式のみをカウントする」など、賛成数の算定方法が異なる場合があります。

(3) 株主総会の手続があった場合の効果

株主総会で定足数や決議要件などに違反があっても、基本的にその決議は自動的に無効にはなりません。そのため、会社はその決議を前提に動くことが出来ます。決議の無効を主張したい株主等は、無効確認や差止め請求などの法的手続を通じて争う必要があります。