(1) 概要
アラブ首長国連邦(UAE)において設立される会社の形態は様々で、有限責任会社(Limited Liability Company)が利用されることが多いですが、以下では、UAE本土の公開株式会社(Public Joint Stock Company)の株主総会の概要を述べます。なお、非公開会社(Private Joint Stock Company)については、上場関連を除き、公開株式会社の規定が準用され(会社法(2021年連邦令第32号)267条)、フリーゾーンで設立された会社については連邦法ではなく、各フリーゾーンで制定された規則が適用されます。
因みに、有限責任会社に関しては、資本持分を有するパートナーによる総会があり、定例総会および臨時総会の招集時期・請求要件(92条)、招集通知発出の期限(93条1項)、定足数の定め(96条1、2項)は、公開株式会社と同様です。決議は、定款に別段の定めがない限り、出席者の持分権の過半数により決せられます(96条3項)が、定款の変更、増資及び減資(増減はパートナーの持分割合による)については、出席したパートナーの持分権の4分の3以上を要し、いずれの場合でもパートナーの財政的義務は全員一致によらなければ増加できません(101条1項)。
(2) 運用方法
株主総会は、少なくとも年に1度、事業会計年度の末日から4か月以内に開催されなければなりません(173条1項)。 株主総会は、取締役会が招集し、株式総数の10%以上を保有する株主(176条1項)および監査役(177条)も株主総会の招集を取締役会に請求することができ、取締役会が株主の請求に応じず株主総会を招集しなかったとき等法定事由がある場合には、証券商品庁が招集を請求することができます(178条1項)。
招集通知は開催日の21日以上前に発出されなければなりません(174条1項)。
定足数は、会社定款で別段の定めがない限り、会社資本の50%以上の株主の出席(委任状を含む)ですが、定足数に満たなかった場合には、最初に招集された総会日から5日以上15日以内に総会が再度開催され、2度目の総会は出席株主数の数に関わらず有効とされます(185条)。
(3) 決議要件
株主総会の決議は、会社定款で別の定めがない限り、出席株式数の過半数によります(190条1項)。
特別決議は、出席した株式の4分の3以上を保有する株主の過半数の賛成によります(1条)。特別決議を要する事項は、商号の変更(12条2項)、会社存続期間の変更(108条)、会社定款の変更(139条)、定款に規定されている又は会社の目的ではない3年超の長期債務、会社財産への抵当権設定等(154条)の他、新株発行(196条1項)、減資(204条)等の資本金関連事項、会社併合(285条1項、288条1項)等の会社組織変更等が挙げられます。ただし、非公開化には、出席した会社資本90%以上の株主による過半数の賛成を要します(276条1項)。






