(1) 商事契約の終了について
2015年民法第422条によると、商事契約が終了する場合について、次のとおり規定されています。
① 所定の義務の履行完了
当事者が契約上の権利義務を完全かつ正確に履行した場合、商事契約は終了します。
② 当事者間の合意
契約期間中、義務の履行がまだ完了していない段階であっても、当事者は合意により契約を終了させることができます。この場合、当事者は、契約終了に伴って生じる問題の解決方法について合意する必要があります。第三者の利益のために締結された契約の場合、契約終了には当該第三者の同意が必要となります。
③ 契約当事者である個人の死亡または法人の消滅
契約当事者に専属する権利義務を内容とする契約が締結された場合、当該契約当事者である個人が死亡し、または法人が消滅したときは、契約の履行を継続することができず、契約は終了します。
④ 契約の解除または履行の一方的終了
契約の履行期間中、当事者は、損害賠償を伴うことなく契約を解除し、または履行を一方的に終了させることができます。これは、当事者間の合意に基づく場合もあれば、法令の規定に基づく場合もあります。
(a) 商事契約の解除
一方当事者は、次のような場合には、損害賠償の責任を負うことなく、契約を解除する権利を有します。
- 相手方が、あらかじめ合意していた契約終了に関する条件に違反した場合。
- 相手方による重大な義務違反がある場合。
- そのほか法令で定められた場合。これには、義務履行の遅滞、客観的理由による契約履行不能、または契約の目的物である財産の滅失や損傷が含まれます。
(b) 商事契約の履行の一方的終了
商事契約の履行の一方的終了は、適法な一方的終了と違法な一方的終了の二つに分類されます。
いずれの当事者も、2015年民法第428条第1項に定める場合に該当するときは、損害賠償を支払うことなく契約を一方的に終了させる権利を有します。具体的には次の場合です。
- 一方当事者が他方当事者の権利に直接影響を及ぼすほどの重大な義務違反をした場合、被害を受けた当事者は、損害を賠償する責任を負うことなく契約を一方的に終了させる権利を有します。
- 契約において、履行の一方的終了が認められる条件が明確に定められており、当事者がその合意された条件に従って行為した場合、その終了は適法となります。
⑤ 契約目的物の不存在
商事契約の目的物は必須の要素であり、契約内容において中核的な役割を果たします。この目的物が存在しなくなった場合、当該契約の前提を欠くことになるため、契約は履行不能となって終了します。
⑥ 事情変更
商事契約は、2015年民法第420条第1項に定めるすべての条件を満たす場合、事情の基本的変更により終了することがあります。具体的には、次のとおりです。
- 契約締結後に、客観的理由により事情の変更が生じたこと。
- 契約締結時に、当事者が当該事情の変更を予見することができなかったこと。
- 当該事情の変更が著しく、当事者がこれを事前に知っていれば契約を締結しなかったか、または全く異なる内容で締結していたであろうこと。
- 契約内容を変更しないまま契約を継続することが、一方当事者に重大な損害をもたらすこと。
- 利益を損なわれる当事者が、契約の性質に従い、その能力の範囲内で必要な措置をすべて講じたにもかかわらず、その影響を防止または軽減することができなかったこと。
上記条件を全て満たし、事情の基本的変更が認められた場合、利益を害された当事者は、相手他方当事者に対し、合理的な期間内に契約の再交渉を求める権利を有します。そして、この期間内に契約の変更について合意に至らなかった場合には、裁判所に対し、契約の終了または変更を請求することができます。






