インドネシアのトピック、最新の法令等の紹介

(1) 事業分類番号(KBLIコード)に関する新規則の概要

2025 年 12 月 17 日、インドネシア事業分類に関する中央統計庁規則 2025 年第7号(以下、「新規則」といいます)が施行されました。新規則により、インドネシア事業分類に関する中央統計庁規則 2020 年第 2 号(以下、「旧規則」といいます)は廃止され、いくつかの事業分類番号(KBLIコード)が変更されました。本改正により、従来単一の KBLI コードで整理されていた事業分野が細分化、統合されています。

(2) 事業分類番号(KBLIコード)

事業分類番号(KBLI)とは、インドネシアにおける経済活動を、その生産する財またはサービスに基づいて事業分野ごとに分類するものとされています(新規則第 2 条)。事業ごとに 5 桁の番号が振り分けられており、実務上、会社設立時には定款およびオンライン単一申請システムである OSS の登録における事業内容の特定に用いられ、許認可取得時には当該事業のリスク区分および必要なライセンスの種類・要件を決定する基準等として機能しています。したがって、今回の法令改正のように、KBLI の細分化や再編が行われた場合、旧KBLI のままでは会社設立などのOSS 上での手続きや新規ライセンスの取得に支障が生じる可能性もあり、最新の分類との整合性を確認することが必要です。

(3) 主要な変更及び影響

新規則の主要な変更として、主に以下のKBLIコードについて変更、再分類等されています。

項目旧規則2020新規則2025変更点
デジタル仲介サービスデジタル仲介サービスの多くはウェブポータルに分 類医療、教育、輸送、ECなど、仲介対象の産業ごとに分類再分類
デジタル音声コンテンツ明示的な規定なし音声録音活動のKBLIコードにポッドキャストを明示明示的な定義の追加
再生可能エネルギーエネルギー発電として定義排出を伴うエネルギー発電、排出を伴わない非エネルギー発電、再生可能エネルギーに分類独立して分類
ファクトリーレス製造業分類が不明確で、主に商業や流通業に分類工場を持たない製品生産者も製造業であると明確に定義し、製品毎に対応するKBLIコードに分類新たな産業として分類
無人航空機(ドローン)規定なし無人航空機および関連エンジンの製造業に分類。ただし、娯楽目的での場合には、ゲーム用品および玩具製造業に分類独立して分類
倉庫・セルフストレージ賃貸不動産賃貸として包括的に分類倉庫業に明示的に分類。ただし、倉庫セルフストレージ賃貸は非居住用不動産の自己所有または賃借による不動産活動に明示的に分類された明示的に分類

KBLI コードに変更が生じた既存企業については、法令上においては、新規則の施行日から6ヵ月以内が変更期限とされ、2026 年 6 月 17 日までに適合するように変更手続を行う必要があることが規定されています(新規則第5条)。しかしながら、KBLI 2025への移行は、制度改正だけはではなく、インドネシア法務人権省の各種データベースの整合状況にも依拠します。行政システム間の連携が十分に確立されていない場合には、形式上は移行可能であっても、実務上の処理が進まないケースも想定され、実際の反映時期については、行政側のシステム運用状況も踏まえて検討する必要があります。また、これらの影響は当局の今後の運用および執行実務に依拠する部分が大きく、現時点では最終的な取扱いは未だ不透明な状況にあり、引き続き関連する規制動向や実務運用を注視することが必要です。