バングラデシュのトピック、最新の法令等の紹介

⑴ 2026年チッタゴン証券取引所(紛争解決)規則の概要
2026年3月2日、チッタゴン証券取引所(以下「CSE」という)は、2026年チッタゴン証券取引所(紛争解決)規則(Chittagong Stock Exchange (Settlement of Dispute) Regulations, 2026、以下「本規則」という)を官報にて公布・即日施行しました。本規則は、CSE上場証券に関して生じた投資家と証券会社(TREC保有者)または上場企業との間の紛争について、調停・仲裁を含む紛争解決手続の枠組みを整備するものです。

⑵ 適用範囲と時効
本規則はバングラデシュ全域に適用されます(本規則1条⑷)。対象となる「紛争」は広く定義されており、投資家と証券会社または上場企業との間の取引・契約・関係から生じる権利義務・履行・解釈に関するあらゆる不一致が含まれ、当該関係の終了後に生じたものも対象となります(本規則2条⑴(j))。CSE上場証券に関して証券会社や上場企業との間で紛争が生じた場合、紛争発生日から3年以内に請求を申し立てなければ時効消滅します(本規則3条⑸)。

⑶ 紛争解決手続の流れ
本規則は、調停と仲裁の二段階構造を採用しています。
① 申立
申立人がCSEの書記官(Registrar)に請求を申し立て(本規則3条⑴)、相手方は受領後 20日以内(最長30日)に回答を提出します(本規則4条2号)。相手方が回答を怠った場合、または回答に不満がある場合、申立人は30日以内に調停または仲裁を選択して申請できます(本規則4条⑸)。
② 調停
調停を選択した場合、調停会議が申請受理後10日以内に招集され、30日以内に終了します(本規則7条⑴、⑷)。調停成立の場合は解決書が作成されます(本規則8条)。不調に終わった場合は仲裁へ移行できます(本規則10条)。
③ 仲裁
調停不調の場合、申立人は書記官に仲裁を申請します(本規則10条)。仲裁廷は書面提出から全審問を45日以内に完了し、手続終結から21日以内に仲裁判断を下します。

⑷ 仲裁人候補者名簿と仲裁廷の構成
CSE取締役会の規制事務委員会は、官報掲載から 180日以内 に、バングラデシュ証券取引委員会の事前承認を得て仲裁人候補者名簿を作成します(本規則21条⑴)。
当事者は同名簿から仲裁人を選定し、選定から10日以内に仲裁廷が構成されます(本規則22条⑶)。

⑸ 費用・手数料
仲裁申立手数料は 総請求額の0.10%(最低5,000タカ、最高100,000タカ)であり、反訴にも同様の手数料構造が適用されます(本規則27条)。費用の負担は仲裁廷が仲裁判断において確定し、事案の実情を考慮して当事者間で分担させることができます。