インドネシアのトピック、最新の法令等の紹介

(1) アウトソーシングに関する新規則の概要
2026年4月30日、アウトソーシング業務に関する新たな規則として、労働大臣規則2026年第7号が制定されました(以下、「本規則」といいます)。
本規則は、発注会社が業務の一部をアウトソーシング会社に委託する場合の基本的な枠組みについて定めるもので、従来のオムニバス法後の枠組みにおいては、アウトソーシングに関して労働者保護や事業許可の側面が中心的に規定されていましたが、本規則では、アウトソーシング可能な業務の種類や契約登録手続がより具体的に整理されています。

(2) アウトソーシング業務
本規則では、アウトソーシング可能な業務が「補助業務」として具体的に列挙されており、対象業務として、清掃サービス、飲食の提供、警備、運転手および労働者の輸送、業務運営支援サービス、ならびに鉱業・石油・ガス・電力分野における補助業務が挙げられています(本規則第3条第2項)。
 また、アウトソーシング契約には、少なくとも、委託される業務、契約期間、業務実施場所、アウトソーシング労働者の人数を記載することが明確化され、当該契約の締結日から3営業日以内に、登録申請を行う必要があります(本規則第4、5条)。アウトソーシング労働者の保護と権利は、アウトソーシング会社が負うものとされ、一方で発注会社はアウトソーシング労働者の保護および権利を法令に従って履行していることを確認する責任を負います(本規則第4条)。さらにアウトソーシング会社は、アウトソーシング分野の事業許可保有者として、労働安全衛生および環境に関する基準を適用する義務を負います(本規則第6条)。

(3) 行政制裁
発注会社がアウトソーシング対象業務に関する規定に違反した場合、書面による警告および事業活動の制限という行政制裁の対象となります。事業活動の制限には、一定期間における物品またはサービスの生産能力の制限や、複数拠点を有する会社に対する一部拠点での事業許可付与の延期などが含まれます(本規則第8条)。
 なお、本規則の施行時点で既に存在するアウトソーシング契約は、当該契約期間が満了するまで引き続き有効とされます(本規則第10条)。ただし、アウトソーシング会社および発注会社において既に存在するアウトソーシング業務の種類および分野は、本規則の施行日から遅くとも2年以内に、本規則に適合させる必要があり(同条)、既存契約がある場合には、対象業務、契約内容、労働者保護および契約登録等の観点から、契約および実務運用を見直す必要があります。