インドネシアのトピック、最新の法令等の紹介

(1) 商標手続きに関する新規則の概要
2026年2月23日、商標登録に関するインドネシア法務人権大臣令2026年第5号(以後、「新規則」といいます)が施行され、商標出願に関する手続きや要件について変更されています。新規則は、商標および地理的表示に関する法律2016年第20号(以下、「商標法」といいます)や2023年雇用創出法(オムニバス法)により改正された商標および地理的表示に関する法制度を具体化する実施規則として位置付けられており、商標登録制度の基本的枠組みを変更するものではなく、特に商標出願に係る要件の具体化が行われ、より効率的かつ予見可能性の高い制度運用を志向しています。

(2) 商標出願
商標出願は、願書、商標見本、宣誓書等を添えてインドネシア語で行われる必要があり、電子出願および、1つの出願で複数分類への出願も可能です(商標第4、6条)。この点新規則では、要件がより明確化されており、出願人の氏名または名称、住所、商標の表示、商品または役務の区分および内容といった基本情報に加え、出願人の属性に応じた補足書類である、a) 国民身分証明書(KTP、パスポート)、b)一時滞在許可証(KITAS)、c)永久滞在許可証(KITAP)、児童身分証明書(KIA)の提出が必要とされています(新規則第4条)。
また、法人の出願人の場合には、取締役の場合には身分証明書(パスポートのスキャンの写しなど)や、会社の定款が求められることが新たに規定されました。外国人による出願の場合は、インドネシアの代理人を通じて出願することが義務付けられており(商標法第5条)、その他、パリ条約に基づく優先権主張に基づく出願を、第一国出願の出願日から6カ月以内に出願することが認められています(商標法第9条)。優先権を主張する場合には、優先権証明書の提出が求められるとともに、当該証明書には宣誓翻訳者によるインドネシア語訳を添付する必要があることが新規則において新たに規定されています(新規則第4条)。なお、施行前に提出された商標出願については従前の規則に基づき処理される一方、施行後の出願については新規則が適用されます(新規則第75条)。