⑴ 2026年競争法改正法案の概要
2026年6月23日、競争法改正法案(COMPETITION (AMENDMENT) BILL 2026)が議会に提出されました。適用範囲の拡大、マレーシア競争委員会(MyCC:Malaysia Competition Commission)の調査・執行権限の強化、手続き規定の整備などが主な目的です。以下では、現在施行されている競争法を「現行法」、改正法案については「改正法案」と表記します。
⑵ 適用範囲の拡大
改正法案により、競争法の適用対象となる活動は、「商業的活動(commercial activities)」から「商業的又は経済的活動(any commercial or economic activity)」へと拡大されます(改正法案2条(現行法2条(g)(ⅱ)[新設]))。ただし、一定の除外事由が定められています(改正法案3条⑷(現行法3条[改正]))。
また、マレーシア国外で行われた活動であっても、マレーシア国内市場の競争に影響を及ぼすものであれば、適用対象となり得ます(改正法案3条⑵(現行法3条[改正]))。
⑶ 規制対象となる合意の一元化
現行法では、反競争的合意(Anti-competitive agreement)を規制しています。
規制対象となる反競争的合意は、水平的合意または協定垂直的合意であることが要件となっていました。しかし、改正法案4条(現行法4条[改正])において、この区別が削除され規制対象となる合意は単に「合意(agreement)」として一元化されました。これにより、いかなる合意であっても、法4条2項に該当する取引は反競争的合意とみなされます。また、いわゆるハブ・アンド・スポーク型の合意も、より明確に反競争的合意として捕捉される可能性があることに注意が必要です。
⑷ 企業結合規制の見送り
これまでの競争法改正の議論の中、企業結合に対し何等かの規制を設けるべきだという議論が存在しました。しかしながら、今回の改正法案では、それに関する規制の導入は見送られることになりました。もっとも、この議論は引き続きなされていくものと思われるので、企業としては引き続き動向を注視する必要があります。






