タイのトピック、最新の法令等の紹介

(1)外国人ノミニー(名義貸し)事業の取り締まりの強化

前回ご紹介した中央パートナーシップ・会社登記所命令No.2/2569(名義株主防止のための設立・変更登記基準の厳格化)は、単独の措置ではなく、今年に入ってタイ政府が推進している外国人ノミニー(名義貸し)事業の取り締まり強化の一環であるといえます。

(2)外国人事業法上の規制と取り締まり強化の動き

ア 外国人事業法第36条は、規制業種に投資しようとする外国人のために、タイ人が名義上の株主・取締役となる等の方法で協力する行為を禁止し、罰則として、名義を貸したタイ人及び実質的支配者である外国人の双方に対し、3年以下の懲役若しくは10万バーツ以上100万バーツ以下の罰金又はこれらの併科を定めています。違反状態が継続する場合には1日当たり1万〜5万バーツの追加罰金が科され、裁判所は事業停止や会社解散を命じることもできます。

イ 実際の摘発例をご紹介します。2024年にプーケットで名義貸しによる会社設立を斡旋していた法律・会計事務所が特別捜査局(DSI)の捜査を受け、約60社に名義上の取締役・株主を提供し、うち不動産関連会社の資産総額が4億4,000万バーツに上るとして23人が有罪判決を受けています(当初の懲役10年は、被告人らの自白により5年に減刑、2年間執行猶予)。また、サムットプラーカーン県でも、中国人投資家のためにタイ人名義で会社を設立したとして、会計事務所関係者を含むタイ人・外国人合計72人が摘発されています。

(3)実務上の留意点

 タイ人株主を含む会社においては、出資金の原資や実際の意思決定権限について、形式面だけでなく実態面からの点検を進めておくことが望ましいと考えられます。