【バングラデシュにおける仲裁制度の概要】

バングラデシュでは、国際商事仲裁、国際仲裁判断及びその他の仲裁判断の承認及び執行に関する法律として、2001年仲裁法(Arbitration Act, 2001(以下、仲裁法))が制定されました。なお、バングラデシュは、ニューヨーク条約(上記1(2)参照)の加盟国です。仲裁機関として、Bangladesh International Arbitration Centre (BIAC)や、Bangladesh Institute of Arbitration(BIArb)があります。

(1) 仲裁合意

 仲裁合意は、契約書の仲裁条項という形式又は個別の合意書という形式で定めることができ(仲裁法第9条(1))、書面にて行われなければなりません(同条(2))。

(2) 仲裁人

 仲裁人の数及び仲裁人の選任手続きは、当事者の合意により定めることができます(仲裁法第11条(1)及び第12条(1))。

(3) 外国仲裁判断の承認及び執行

 外国仲裁判断は、いずれかの当事者によって行われた申し立てについて、裁判所の判決と同じ方法で、民事訴訟法に基づいて裁判所によって執行されます(仲裁法第45条(1)b))。ただし、「紛争の対象である事項がバングラデシュの現行法により仲裁による解決が不可能なものであること」、または「外国仲裁判断の承認・執行が、バングラデシュの公の秩序に反すること」のいずれかに該当するときには、裁判所は、その仲裁判断の承認・執行を拒否することができると規定されています(仲裁法第46条(1)(b))。