(1) 取締役の要件
全ての非公開会社(公開会社の子会社を除く)は、2名以上の取締役が必要で(会社法90条(2))、公開会社及び公開会社の子会社である非公開会社は、3名以上の取締役が必要です(同条(1))。また、1人株主会社(One Person Company (OPC))は、当該1名の株主が取締役となります(会社法392E条(1))。
取締役は自然人でなければなりませんが(同条(3))、国籍や常駐の要件はありませんので、バングラデシュ国外に居住する外国人も取締役になることができます。
取締役の欠格理由は、以下の通りです(会社法94条(1))。
(a) 管轄裁判所より精神に障害があると認められた場合
(b) 復権していない破産者であること
(c) 破産者であると申立て中であること
(d) 保有している株が未払いで、支払い期日を6か月以上経過していること
(e) 未成年であること
その他、会社が、付属定款にて取締役の欠格理由を定めることができます(同条(2))。
(2) 取締役の主な権限と義務
会社の事業や運営は、取締役によって行われ、会社法の規定に基づき、その権限を行使することができるとされています。取締役に対する制限として、i) 売買・商品供給契約等の締結に関し、取締役会の承認を得た場合を除き、取締役は自らまたは自らがパートナー、株主または取締役である他の法人との間で、売買、商品および原材料の購入または供給契約を締結することはできません(会社法105条)。また、ii) 利益相反取引に関する情報開示として、会社が締結する契約に直接的または間接的に利害関係がある取締役は、当該契約が承認される際に、取締役会にて、その利害について開示しなければなりません(会社法130条(1))。
(3) 取締役の解任
会社は、特殊決議(extraordinary resolution)にて、株を保有している取締役を任期満了前に解任することができ、普通決議で後任を任命することができます(会社法106条(1))。