【フィリピンの外資奨励政策の概要】

  1. フィリピンにおける外資奨励政策の概要

企業復興税制(CREATE)法において、投資委員会(BOI)とフィリピン経済区庁(PEZA)における優遇制度が統一されました。具体的には、税制上の優遇措置を提供する分野を定めた「戦略的投資優先計画(SIPP)」が承認されています。

2. 企業復興税制(CREATE)法に基づく投資優遇措置の概要

投資優遇措置の概要は以下のとおりです。

(A) インカム・タックス・ホリデー(ITH)により、所得税の支払いが100%免除される場合があります。

(B) 特別法人所得税(SCIT)率の適用により、国税及び地方税に代えて、総所得5%が課される場合があります。

※適用を受けるには、事業内容、生産量、最低投資額その他の条件を満たす必要があります。

(C) 課税標準から許容される控除額が設定される場合があります。

例:課税年度に発生した人件費について、50%の控除

※控除を受けるには、重要国内市場企業に指定されていること等の条件が必要となります。

(D) 資本設備、原材料、予備部品、付属品等を輸入する際に免税となる場合があります。

(E) 輸入時の付加価値税(VAT)が免除される場合や、現地での購入時のVATゼロレートの適用の可能性があります。

3. SIPPが定める投資優遇分野

SIPPは、投資優遇措置を受けられる優先活動のリストを提供しています。産業や活動は、Tier I、Tier II、Tier IIIに分類されます。

【Tier I】

2020年度投資優先計画にて投資優先分野と指定されている活動。ただし、通達第61号でTier II若しくはTier IIIに該当する場合を除く。

【Tier II】

フィリピン経済の強靭(きょうじん)性、競争性を高める活動。具体的には、グリーン・エコシステム、ヘルスケア、防衛関連、食料安全等の分野を含むものとされています。

【Tier III】

経済の変革を加速させる上で重要な活動。具体的には、研究開発、技術的に高度な製造業、イノベーション創出を促進する施設の設置等の分野を含むものとされています。

4. 投資優遇措置の適用期間

企業は以下の期間において、税制優遇措置を受けることができます。なお、優遇措置を受けようとする企業は、戦略的投資優先計画及びガイドラインに別段の定めがない限り、登録日から3年以内に優遇措置を利用する必要があります。

・ 輸出企業と国内市場企業が「重要」に分類される場合

所在地と産業政策に応じて、4~7年間所得税が免除され、その後10年間法人税の特別税率又は控除が強化される場合があります。

・ 国内市場企業で「重要」に分類されない場合

4~7年間所得税が免除され、その後5年間特別法人税または控除が強化される場合があります。ただし、投資資本が5億ペソ以上の国内市場企業に限り、法人所得税の特別税率を適用することができます。