「タイの消費者保護に関する法規制の概要」

タイ消費者保護法は、消費者・事業者間の商品・サービスの広告、安全性、表示(ラベル)及び契約に関する規定を設けています。

(1)消費者の基本的権利

 以下の消費者の基本的権利を規定しています(同法4 条)。

  • 商品またはサービスの品質に関する正確かつ適切な情報及び説明を受ける権利
  • 商品またはサービスの選択の自由を享受する権利
  • 商品の使用またはサービスを利用するにあたって安全性が与えられる権利
  • 公正に契約を締結する権利
  • 損害に対する補償を受ける権利

 ただし、特定の法律に特別の規定がある場合には、その事項に関する法律の規定に準拠するものとされます(同法21条)。例えば、食品医薬品法、保険法などが挙げられます。

(2)広告に関する規制

 広告には、①消費者にとって不公平な内容、または②社会全体に悪影響を与える可能性のある内容を含めてはならないことが規定されています(同法22条)。

 また、以下の表現については、①または②に該当する広告とみなされ禁止されます。

  • 虚偽又は誇張した表現
  • 商品またはサービスに関する重要な部分について誤解を生じさせる表現
  • 法律または道徳に反する行為を直接的または間接的に支持する、または国家の文化的価値の低下を助長する表現
  • 不和を生じさせたり、民衆の団結を阻害させたりする表現
  • その他省令に定める表現

(3)安全性に関する規制

事業者が販売、生産、輸入、宣伝する商品は、リスクを防止または排除する措置を講じた安全な商品でなければならないと規定されています(同法29条の2)。また、危険な商品(別に法律に定める場合を除き、生命、身体、健康、精神状態および財産に危害を与えるまたは与えるおそれのあるものをいう。)を販売するためにタイ国内において生産、注文、または輸入してはならず、そのような危険な商品を推奨または宣伝してはならないと規定されています(同法29条の3)。

(4)表示(ラベル)に関する規制

工場に関する法律に基づいて工場が製造した販売用の商品、および販売用にタイ国内において注文または輸入された商品、または表示委員会が官報において指定した商品は、表示(ラベル)が規制されます(同法30条)。表示(ラベル)が規制された商品は、表示委員会が定める規則等に基づき表示(ラベル)をしなければならないとされています(同法31条)。

(5)契約に関する規制

契約委員会は、法律により契約が書面で作成される必要がある場合、または慣習上、契約が書面で作成される必要がある場合には、契約管理業種として指定する権限を有します。

契約管理業種に指定された事業を営むにあたっては、必ず書面により契約を締結しなければなりません。契約には、消費者に不利益を生じさせることを避けるために必要な契約条件が規定されていなければならず、消費者にとって不公平な契約条件を規定してはならないとされています(同法35条の 2)。

(6)救済手続きに関する規定

消費者保護委員会は、消費者の権利を侵害する紛争を解決するために、訴訟を追行する権限があります。同委員会が適切と判断した場合、または同法39条に基づいて申立てがなされた場合には、消費者の権利の侵害に対して訴訟手続を行う権限が定められています(同法10条7号) 。